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公開日: 

【在日朝鮮人3世/飲食店勤務】

こんにちは。私は木下と申します。在日朝鮮人3世です。現在は実家の手伝いでコリアン家庭料理で働いています。

昨日2017年7月26日、テレビを見ていましたら、あの凄惨な事件、やまゆり園障害者19人殺傷事件から丸1年の特番があっていました。通称植松事件とでも言いましょうか。

ヘイトクライムに関する解説などをやっていました。それを見て思ったことがあるので、今こうして投稿しているわけです。

あの事件はもちろん肯定できるものではありません。

しかし植松は現場で働いていました。職員だったわけです。

そんな青年を狂わせたものこそが、ヘイトクライムです。

ヘイトクライム(英: hate crime、憎悪犯罪)とは、人種、民族、宗教、性的指向などに係る特定の属性を有する個人や集団に対する偏見や憎悪が元で引き起こされる暴行等の犯罪行為を指す。

そしてテレビでは、植松が記者に送った手紙の内容を紹介していました。その内容は…

 手紙は「意思疎通がとれない人間は安楽死させるべきだ」などと身勝手な主張を繰り返した。やまゆり園での勤務経験と事件との関係については、「支援する中で嫌な思いをしたことはあるが、仕事だったので負担ではなかった。しかし、3年間勤務することで彼らが不幸の元であるという確信を持つことができた」と記した。

 一方、勾留生活については「逮捕は覚悟していたが、外の生活が恋しく思う。刺し身やしゃぶしゃぶを渇望している」とした。

 植松被告は逮捕後の取り調べでも「障害者は不幸をつくる」などと供述したとされる。

このような内容でした。

私は、もちろんこの事件は二度と起きてはならないと思っていますが、やはり3年間働いて精神的におかしくなってしまった植松やその他の従事者のことをもっとピックアップするべきだと思う訳です。

中には重度の精神患者から無慈悲な暴力を受ける職員も多く、入社後1年未満で辞めてしまう人たちが多くいたそうです。

しかも休みは取れない、給料はアルバイト以下。これでは精神的ストレスが限界を超えてもおかしくはありません。

それとそのテレビでの取材では放送されていませんが、実際の障害者施設で働いている人の声、まさに現場の声をネットで調べてみると、さらに不幸で辛い内容でした。

やはり障害者が平等に扱われるようになってしまってから、その家族が職員に酷い言葉を浴びせたりするそうです。

こっちはお金払ってんだから!みたいなことです。もうめちゃくちゃです。やはりこの世には平等という言葉はあり得ないのかもしれません。

私も小さいころ、在日朝鮮人ということでいじめられていました。一応帰化して通名ではなく日本人の名前だったのですが、顔がどうみても朝鮮顔だ!と、容赦なくいじめられていました。

しかし中には優しい日本人も居ます。そんな人たちに支えられて私は育ってきましたから、植松の気持ちはわからなくもないのです。

植松が言うように、やはり重度の障害者は働けないのです。働けないという事は、税金が払えません。納税が出来ません。だから国が免除をします。そしてその家族には、障害者手当が出ます。医療費も格安です。中には無償で介護や医療を受けれる自治体もあるようです。その金は、私たち健常者の税金です。もちろん平等社会ですので、私は消費者金融でお金を借りてでも税金を払っています。生活は厳しいですが、消費者金融でお金を借りて頑張っています。

そこで働く人たちの給料が物凄く低いと知った時、私は物凄く悲しくなりました。そして障害者家族に、上から目線で指示をされる…。私なら絶対に働きたくないですし、働いたとしてもすぐやめます。コリアン料理を作っていたほうが楽しいです。そもそも障害者施設で働く人たちの対する事をもっと議論するべきなのに、犯人の植松ばかり批難しています。これでは何の解決にもならないと思います。

絶対に障害者と健常者は平等に生活できないのです。過去の事件の記事で見つけた取材を見ると、どう思うでしょうか。

 中には「知的障害者による犯罪被害者」で、心情の深い部分で植松容疑者を支持してしまう人もいる。数年前、重度の知的障害者に顔面をカッターで傷つけられ、いまも鼻の下からアゴにかけて傷跡が残る20代女性は「心情的に、どうしても植松容疑者を支持してしまう」と語っている。

女性は通勤途中に知的障害者の男性が泣きながら歩いているのを見かねて声をかけたところ、カッターで顔を切られた。しかし、男性は「心神喪失者の行為は、罰しない」などと規定される刑法39条に沿った刑事責任能力の喪失と判断され、無罪になったというのだ。

「せめて医療刑務所で教育を受けさせるとかにはなると思っていましたが、IQ30前後の重度で行動制御能力がないって判断でした。さらに裁判官には、私が声をかけたことで感情を興奮させ、攻撃的衝動につながったとまで言われてしまいました……」

このように、重度の知的障害者と健常者で平等なんてあり得ません。障害者が守られて、健常者が守られない世の中なのです。

私たちも心のどこかに、障害者はちょっと…とか、障害者は嫌だな…、という気持ちがあるのです。

それをどうのように抑えてコントロールしながら生活していかなければいけないのか、そこなのです。

普段の生活では、障害者と接することはありませんから、そんな気持ちは忘れています。

しかし障害者施設・精神異常患者施設で毎日働いていたらどうでしょうか?

毎日毎日、障害者に対しての嫌悪感ばかりが募るわけです。

植松は、そんなところで3年間も働いていました。

仕事ですから、植松は障害者に文句は言えません。

しかし障害者は容赦なく植松を無慈悲に叩いたり唾を吐いたりします。

その家族は「こっちは金払ってやってんだから、うちの子を大切に扱えよ」などという言葉を言います。

仮に私たちが精神異常者に叩かれたとしても、障害者だからと言って何もできないのです。もしもやり返したら絶対に健常者が悪くなります。

これって平等なのでしょうか?

もっと行政やテレビや新聞などは、このような施設の従事者の問題を取り上げないといけないと私は思います。

昨晩の特番は、綺麗ごとにしか見えませんでした。

もちろんこの犯人はただの殺人犯ですので極刑以外はあり得ないと思います。私が言いたいのは、この殺人事件がどうのこうのではなく、施設で働く人たちのことをもっとストレートに取材してほしいと思ったのです。

低賃金・長時間労働、本当に辛いです。消費者金融でお金を借りていたとしたら、更に精神的に追い詰められてしまうでしょう。どうにかしてほしいです。まあここで在日の私が叫んでも、何も変わらないと思いますけど。

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